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Vol.06
親も子も満足できる二世帯住宅リフォーム

“実家”はもっとも身近な住宅ストック

 近年では、経済的な要因などで若年層の住宅取得が難しくなる一方、広い一戸建ての実家に両親が二人だけで暮らしている状況が見られます。将来、高齢となった親の独居や、空き家問題などが想定されるなか、親子両世帯にとって“実家”での同居は意味のあることだといえそうです。

 二世帯住宅の実態調査レポート(※1)によると、親世帯にとって子世帯との同居は、「安心感」につながっている様子。老朽化した家のメンテナンスや防犯、日常生活のちょっとしたサポートへの期待が表れています。同じく子世帯にも、「家族がそばにいたほうが安心できる」(図1)という結果が。共働き世帯が増える昨今、子育て(孫育て)への協力が得られることも、同居のメリットとして考えられています(図2)。

 また、好みを反映した中古住宅リフォームへの関心が高い若年層にとって、実家は最も身近な住宅ストック。そのため、子世帯から親世帯に二世帯住宅リフォームをもちかけるケースも少なくないようです。

※1 株式会社リブ・コンサルティング インターネット調査概要/2014年1月実施。有効回答数800件


リフォームで叶える二世帯住宅のスタイル

 現在の50代、60代の親世代が建てた住宅のなかには、建築基準法の新耐震基準(1981年施行)を満たす建物もあり、耐久性を備えていれば十分に二世帯住宅リフォームが可能です。しかし、増改築を繰り返している場合もあるため、建築のプロによる住宅現況検査は必須。そのうえで、二世帯のライフスタイルに合った住まいのカタチを考えていくことになります。

 一般的な二世帯住宅のスタイルは、“完全独立型”“融合型(玄関・水まわりなど一部共用)”“完全同居型(すべて共用)”に分類されます。既存の住宅や敷地の規模、リフォーム費用によって選択肢が絞られますが、物理的な条件の前に、まずは家族間で現在のライフスタイルを確認することからはじめてみましょう。リフォーム費用を抑えることだけを目的に、安易に完全同居型を選ぶと、結局は気疲れやライフスタイルの違いから、同居を解消するという自体を招くこともあるようです。


“完全同居型”でも、満足度の高いリフォームは叶えられる

 「二世帯住宅の理想は完全独立型」という意見が多数ですが、コストや費用、住宅規模などの条件から、多くの場合、融合型や完全同居型に落ち着くというのが実態です(図3)。

 しかし、どのような条件であっても、親子世帯が満足できるリフォームの工夫はあるものです。すでに二世帯住宅に住んでいる人に行った、「もう一度建てる(リフォームする)としたら、取り入れたいこと」というアンケート(図4)を参考にしてみましょう。二世帯住宅を不満に感じている人では、「設備(キッチンや浴室)を分けたい」という項目が上位に。一方、満足している人は、不満の人に比べると、設備を分ける必要をあまり感じていないという結果になりました。両者ともに共通する項目は、「収納量を増やす」でした。

 上記のアンケート結果から読み取れることは、水まわりや玄関を共用とする融合型や完全同居型でも、満足度の高い二世帯住宅をつくれるということ。では、具体的にはどのような工夫が求められるのでしょうか。


生活時間帯から導き出す、ストレスのない住まいのヒント

 「設備を分けたい」と考える要因には、家族皆の使用時間が重なることと、生活音の問題が挙げられます。一般的には、子世帯の水まわりの使用時間は、登校や出勤、帰宅時間の関係で早朝と夜遅くに及びます。そのため、融合型や完全同居型では、キッチンや洗面・浴室と親世帯の寝室を離してレイアウトすることが鉄則。条件が許せば、子世帯の居室エリアにシャワー室やミニキッチンを設けられると、互いに使用時間を気にする必要がなくなります。

 先のアンケート結果にもあるように、二世帯共用とすることでスペース不足を感じるのが収納とキッチンです。とくに、親世帯の持ち物のなかには、捨てられない思い出の品も多いため、ある程度の大型収納は確保したいところ。リフォームをきっかけに、「使っているもの」と「使っていないもの」の仕分けをするなど、家族皆で物を整理する努力も必要です。

 キッチンについても収納量の不足を感じている人が多い様子(図5)。限られたスペースのなかで十分な収納を確保するには、壁面などもフル活用する必要があります。たとえば、大容量の壁面収納を造り付ければ、親子世帯それぞれの好みの食器を収めることも可能。置き型の収納家具に空間を占拠されることもありません。

 さらに、食事の支度については当番制にするのか、親子世帯で一緒に行うのかなど、生活のおおまかなルールについても話し合っておくとよいでしょう。仮に当番制なら、コンパクトなキッチンでも対応できるので、その分パントリーなどの収納に空間を割くことができそう。一緒に調理するなら、広い作業台があると便利です。


まずはざっくばらんな暮らしの話からはじめよう

 生活時間帯や平日と休日の過ごし方、生活習慣などを世帯間でできるだけオープンにして、今後の生活スタイルを話し合えると、その結果をリフォームプランにつなげられます。もう一歩踏み込むことができれば、光熱費の分担、子供の独立や親の他界による家族構成の変化、その後の家のあり方についても話しておけるとベスト。完全独立型なら、将来、空き家になった住戸部分を賃貸に活用する計画も立てられます。その際には、電気のメーターなどインフラの分離を忘れずに行うなど、具体的な対策も忘れずに。

 また、2015年からは、居住用宅地の相続税は減額対象がより幅広くなり、二世帯住宅の特例適用も拡大されます。同居子世帯以外にも子供がいる場合には、家族皆で「実家の二世帯リフォーム」について話し合いをする必要があるでしょう。

 しかし、プライベートや相続について話し合うのは「ちょっと抵抗がある」という家族もいるかもしれません。そういう場合には、リフォーム専門会社など、依頼先のアドバイザーや設計者に立ち会ってもらう方法がおすすめ。第三者の専門的な意見を交えることで、話し合いをスムーズに進めることができるでしょう。

(コラム執筆)住宅&インテリアマガジン『LiVES』ライター 畑野暁子


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