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このコラムは、埼玉・千葉・東京を施工エリアとするポラスグループのリフォーム専門サイトによるものです。リフォームをお考えの方は、ぜひご検討ください。

Vol.44
国が実証!!「あったかリフォーム」が健康をつくるという事実

まずは危険な浴室まわりから「断熱」について考える

 冷え込みのきつい日もあるこの季節、「お風呂で暖まりたいけど、なんとなくおっくう」と感じることはありませんか?「おっくう」の原因は、浴室や脱衣所の寒さかも。服を脱いだ時のひやっとした感じは、不快なだけではなく体に大きな負担を与えることはよく知られています。寒い場所で裸になり、熱い湯船に浸かることは、命を奪いかねない危険な状態です。

 一番手っ取り早い解決策は、古くて寒いお風呂を、最新のユニットバスにリフォームすること。床・壁・天井の断熱性が優れている上に、浴室暖房などの設備もつければ、寒さを避けることができます。直接体に触れる床面に冷たく感じない素材が使われていることも、体への負担を減らす重要なポイントです。

 しかし、お風呂だけ暖かくても、脱衣室が寒いままでは片手落ち。併せて脱衣室のリフォームも行いたいところです。冷気の原因になるガラス窓にインナーサッシを追加したり、タオルウォーマー兼用のオイルヒーターや、脱衣室暖房乾燥機などを設置すると、快適性はだいぶ変わってきます。


国土交通省主導の研究事業で断熱リフォームと健康の関わりが明らかに

 それでは、もっとも「ひやっ」を感じやすい浴室や脱衣室だけを断熱化すればよい、といえるのでしょうか。

 「健康」と「省エネ」の観点から、近年国も住宅の断熱化に熱心に取り組んでおり、住宅の暖かさと健康の関係性の研究が「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」として進められてきています。この事業は平成26~30年度の5年をかけ、全国の約1,800軒の住宅とその住人約3,600人を対象に行われる大規模なもの。「断熱改修の前後」で、居住者の血圧や生活習慣、身体活動量など健康への影響を検証することが試みられています。室温の差が血圧や心拍数に影響を与える「ヒートショック」はすでに知られていますが、住宅の室温とより広範な意味での健康の関係性がより詳しく、明らかになりつつあります。

 2018年1月25日、2年が経過した研究事業の中間報告が国土交通省から発表されました。
その資料(※①)によると、「得られつつある知見」として
「起床時の室温の低下による血圧上昇への影響は、高齢になるほど大きい」
「室温の低い家に住む人ほど、起床時の血圧が高血圧となる確率が高い」
「室温の低い家に住む人ほど、動脈硬化指数と心電図異常所見が有意に多い」
「断熱改修後に起床時の血圧が有意に低下」
など、6項目が挙げられています。


 いくら健康に留意した生活をしていても、家が寒いというだけで健康にマイナスになる……そう知ると、断熱の大切さがクローズアップされますね。
 
 血圧に着目した結論が目立つので、高齢者に限った話という印象を受けるかもしれませんが、若い頃から寒い家に住み続けることで、高血圧になりやすくなるとも言えるでしょう。また、暖かい住宅に比べて寒い住宅では、「肩こりを訴える人の割合が3.2倍」との調査結果からは、室温が体に与える影響の大きさは、年齢を問わない問題であることが理解できます。

 ここで再び「浴室や脱衣室だけを断熱化すればいいのか?」という問に戻りましょう。実は、「部分的な断熱化と住宅全体の断熱化では、効果に大きな差が出る」ということも、この研究から明らかになっているのです。


あったかリフォームの鍵は「開口部」と「断熱材」

 既存住宅の断熱性能を上げるには、熱の出入りが最も大きい部分「開口部」を改善することが効果的です。ガラス面や金属製のサッシ枠からしんしんと冷え、暖房の熱が奪われていくのを感じたことはないでしょうか。これを改善するには、サッシ自体を複層ガラスの新品に交換するか、インナーサッシをプラスして空気層を確保し、断熱性を持たせます。

 また、床・壁・天井の「断熱材」を見直すことも一手段。新築住宅に断熱材が入り始めたのは、オイルショックを発端とした国の省エネ政策により、1980年に住宅の省エネ基準(旧省エネ基準)が告示されて以降。ですから、それ以前に建てられた住宅には断熱材が施されていないと考えられます。告示以降に建てられたものでも、必ず断熱材が入っているということではないので、確認する必要があります。

 断熱材をプラスする方法には、天井裏や壁の内側、床下に断熱材を隙間なく充填する、建物の外側を断熱材とセットになった外壁でくるむといったやり方があります。目に見えない部分なのでなかなか理解しにくいのですが、快適性と直結することなので積極的に検討したいものです。


生活の質が上がる断熱フルリフォーム

 一棟丸ごと断熱化されると、家中の室温のムラが小さくなります。熱のロスがなくなる分、冷暖房にかかるエネルギーやコストも抑えることができます。さらに、冷暖房を「細かく仕切られた部屋ごとに行う」といったこれまでの常識は必要なくなり、間仕切りの少ないオープンな間取りも可能になります。広々した空間を自在につくることができるのも、断熱化の利点と言えるでしょう。

 健康と快適性が手に入る「断熱フルリフォーム」は、もしかしたら“人生を変える”といってもいいくらい、住む人に大きな影響を与えるものなのです。

(コラム執筆)住宅&インテリアマガジン『LiVES』ライター 松川絵里


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