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このコラムは、埼玉・千葉・東京を施工エリアとするポラスグループのリフォーム専門サイトによるものです。リフォームをお考えの方は、ぜひご検討ください。

Vol.87
集中豪雨や大型台風の襲来に備える!
家の安全を守る点検・補修のチェックポイント

これまでの常識では計れない自然災害にご注意を

 近年、日本を襲う台風や水害などの自然災害は、環境や気象条件の変化により、深刻な被害をもたらすようになってきました。台風は毎年のように巨大化し、通過するルートも変わって、2018年の台風21号では近畿地方周辺を、2019年の房総半島台風は首都圏を中心に大雨や強風による建物の損壊や停電などを引き起こしました。

 また、積乱雲が次々に発達して長時間、同じ場所に強い雨を降り続ける「線状降水帯」による豪雨も気になります。九州、中国、中部、東北などの各地域を襲った令和2年7月豪雨では、多数の線状降雨帯が発生して甚大な水害を発生させました。

 これまでの常識では考えられない気象リスクがこの先も起きることが懸念されます。台風シーズンが到来する前には、しっかりとわが家の点検・メンテナンスをしておきたいものです。


「カバー工法」ならお得に屋根を補修可能

 まずぜひチェックしておきたいのが屋根。家の外周りは紫外線や雨風にさらされて日々、劣化が進んでいます。わが家を建てた工務店や信頼できるリフォーム業者に依頼して、プロの目で破損やひび割れなどがないか、確認してもらいましょう。

 屋根は瓦、金属板、スレート瓦など葺く材料によってメンテナンスの方法が異なります。ただ、多くの場合は築10~20年で劣化が始まり、再塗装や補修などの手当てが必要。「カラーベスト」「コロニアル」とも呼ばれるスレート屋根の場合は、早ければ7年前後でも再塗装することもあります。

 築20年以上経過している屋根では、葺き替えも視野にいれたほうがいいでしょう。葺き替えでは、古い屋根材を撤去し、下地材やルーフィング材(防水シート)なども新しく交換します。雨漏りのリスクを低減するにはもっとも効果的な方法です。とくに古い和瓦ののような重い材の場合には、より軽量な屋根材に吹き替えると建物の構造への負担も小さくなり、耐震性も向上するというメリットがあります。

 また近年、増えている補修方法のひとつに「カバー工法」「重ね張り」などと呼ばれるものがあります。これは既存の屋根の上に、ルーフィング材と新しい屋根材をかぶせる施工方法のことで、スレートや金属板のような平板を葺いた屋根であれば施工可能です。古い屋根材を撤去する手間がない分、短期間に低コストでリフォームできるというメリットがあります。
 


劣化した外壁からの浸水にも要注意

 屋根と並ぶ重要チェックポイントが外壁です。屋根や庇、軒の出で覆われていない部分には直接、雨がかかりますし、強風を伴う大雨では、想定していなかった角度や箇所から水が入ってきます。一見、問題なさそうに見える外壁でもプロがチェックすることで、雨漏りリスクが大きく軽減されます。

 外壁にはサイディング、モルタル、タイル、ガルバリウム鋼板など様々な仕上げ材が使われますが、おおむね築10年前後で一度はチェックしてもらったほうがいいでしょう。どんなに丈夫な素材であってもメンテナンスフリーの外壁材は存在しません。紫外線などにより劣化が進み、表面塗装が剥げたり、外壁材そのものがひび割れたり、はがれたりするものです。また目地や接合部等に施したコーキング(充てん剤)も同様に年月を経ると劣化して、雨水の浸入する隙間が生まれてしまいます。こうした部分もケアが必要です。

 外壁の傷み具合によって、外壁材表面の再塗装、張り替え、カバー工法などの補修方法を選ぶことになります。外壁材そのものの劣化がそれほど進行していない場合には、再塗装だけで済むことも。逆に、外壁材の傷みが著しい場合には、全面的に撤去して、壁下地や透湿防水シートなども張り直すことになります。壁の内側までメンテナンスすることができるので、構造や断熱材も合わせてケアして、住宅の寿命を大幅に延ばすことにつながります。

 また条件にもよりますが、古くなったサイディングやモルタル、ALCなどの外壁の上に金属板などの新しい外壁材をかぶせる「カバー工法」(重ね張り)という方法もあります。張り替えよりも安価にリニューアルすることができますが、壁内の劣化が進んでいないかを慎重に見極める必要があります。的確な判断のできる、実績の豊富な業者に依頼したいものです。


窓を新しくすることで断熱や遮音性も向上

 窓周りも風雨の被害を受けやすい部位です。古いサッシの周りではコーキングが切れて隙間が生まれがちですし、長年の間に壁体内でサッシの縁に貼った防水テープが劣化して浸水している場合もあります。サッシ枠やガラスが傷んで隙間ができていることも。一般的にアルミサッシの寿命は20~30年ほどと言われていますが、状況によってもっと早く劣化が進むケースもあります。またサッシ枠にガラスを固定するパッキンの寿命は約10年、窓の開閉を支える戸車の寿命は3~4年が目安とされています。窓周りも気になったときにプロにチェックしてもらい、必要であれば窓の交換などを行うことも必要です。

 サッシ枠ごと交換するのか、既存の窓に外側から新しい窓を取り付けるカバー工法で対応するのか、窓の傷みの程度や設置状況によって判断することになります。コストや工期も大きく変わってくるので、きちんと調査、見積もり、提案をしてくれる業者を選びましょう。

 窓をリニューアルすることで雨漏り等の不安が解消されるだけでなく、同時に断熱性や遮音性も向上します。ぜひ定期的にメンテナンスを実施したい箇所のひとつです。


排水口や雨どいで水があふれないようにケアを

 近年の台風や大雨の特長として、「急激に雨量が増える」ということが挙げられます。想定以上の雨水が降ることで、水を処理しきれず、住宅内に浸水してしまうことが懸念されています。たとえば、ベランダには排水口が詰まったとき、外へ直接排水するためのオーバーフロー管が設置されている場合があります。しかし、近年のゲリラ豪雨では排水が追いつかずにベランダに水があふれ、室内に入ってきてしまうという例も。台風シーズンの前には、排水口の周辺の落ち葉や砂などはきちんと掃除して、スムーズに排水されるように準備しておきましょう。

 同様に、雨どいも気が付かないうちに落ち葉やゴミなどが堆積しがち。手の届く範囲で掃除をしておき、屋根の点検を依頼するときに一緒にリフォーム業者に点検してもらうとよいでしょう。雨どいも劣化が進むと思わぬところから水が漏れて、雨漏りの原因になります。必要であれば新しいものに取り替えてもらうと安心です。


点検・メンテナンスは信頼できる業者に

 こうした点検やメンテナンスは、経験と実績のある業者に依頼するのがいちばんです。どういう箇所に被害が多いのか、どのくらいの劣化なら補修が必要なのか、どうケアすれば安心なのか。適切な判断をくだすためのノウハウは、現場経験と正しい知識からもたらされます。

 きちんと調査を実施して、証拠となる報告を行い、詳細な見積もりと丁寧な施工提案を求めたいもの。適切なメンテナンスは、台風や大雨被害を防ぐだけでなく、わが家の耐久性や性能を高めることにもつながります。とくに不都合を感じていなくても、築10年を目安に一度、点検してみてください。


【著者プロフィール】
渡辺圭彦 / 住宅ジャーナリスト
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、2004年よりフリーに。全国の住宅、工務店、建築家を取材して回るエディター&ライターとして活動中。著書に「住まいの進路相談室」(扶桑社)など。


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