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このコラムは、埼玉・千葉・東京を施工エリアとするポラスグループのリフォーム専門サイトによるものです。リフォームをお考えの方は、ぜひご検討ください。

Vol.88
エネルギーを自給自足して暮らしも安心
建ててからでも搭載できる太陽光発電

電気代が心配な今だから設置しておきたい太陽光発電

 2021年9月から東京電力EPや関西電力など各社の電気料金の値上げが続いているのをご存知でしょうか。

一般的な電気料金は、

基本料金(最低料金)+電力量料金±燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金

という形で算出されます。

 このうち現在の電気料金値上げに大きく影響を及ぼしているのが、燃料費調整額です。これは、発電に必要な燃料の価格変動を電力量料金に反映させるためのもの。日本の電力の7割以上は火力発電でつくられています。現在、日本のエネルギー自給率は12.1%(2019年)しかなく、多くは輸入に頼っている状態です。

 しかし、コロナ禍で世界中の物流が滞り、2022年初頭からは液化天然ガスの主な輸出国、ロシアの情勢が緊迫。その他の石炭、石油などの化石燃料も世界的に高騰傾向に陥っています。そのため、海外から輸入される石炭や液化天然ガスが高くなり、燃料費調整額とともに日本の電気料金もここ1年半で約40%も値上がりを続けているという状況です。

 しかし、太陽光発電を設置すれば、その時点で電気の価格が決定し、この先もその価格のままで電気を使えるようになります。世界的なエネルギー危機が懸念されるなか、わが家でエネルギーを自給自足できるようになれば、暮らしに大きな安心を得られるようになることは間違いありません。


雨漏りやコストの心配は不要。リフォームでも設置できます

 太陽光発電は、以下の機器で構成されています。

・ソーラーパネル:太陽光から電力をつくる
・架台:パネルを屋根の上に設置する
・接続箱:ソーラーパネルで作った電気を1か所に集める
・パワーコンディショナー:ソーラーパネルでつくった直流の電気を、家庭用の交流の電気に変換する
・分電盤:パワーコンディショナーからの電気を住宅に取り込む
・売電メーター:電力会社に売った電力量を計測する
・モニター:売電量を確認するためのモニター

 屋根の形状や勾配、日射量などの諸条件さえ満たせば、新築した後からでも太陽光発電システムを搭載することは可能です。

 架台や発電パネル等を屋根に設置し、電気配線・設備を取り付ける工事自体は、平均して2~4日間程度。そのほか、現地調査、見積もり、レイアウト作成、資源エネルギー庁への申請や電力会社への手続きなども必要です。

 気になるコストは、発電容量や設置面積などにもよりますが、設備と工事の費用を合わせておよそ100万円~200万円くらいが一般的な目安。

 屋根に設置する際には、既存の屋根材に穴を空けることなく取り付けられる工法があるので、雨漏りの心配は不要。パネルの寿命も現在は40年保証をするメーカーも出てきており、メンテナンスしだいで長く使えるようになってきています。


発電した電気を無駄なく使える蓄電池もおすすめ

 一般的に流通している住宅用蓄電池は、主に「鉛蓄電池」と「リチウムイオン蓄電池」に大別されます。近年は、放電量が高いため設備サイズが小さくすむ「リチウムイオン蓄電池」が主流になってきています。また、太陽光発電で使用するパワーコンディショナーと一体となったハイブリット蓄電池なども注目されています。蓄電池の選択については、太陽光発電設置を依頼した業者にも相談するとよいでしょう。

 蓄電池のメリットは何と言っても、太陽光で発電した電気を貯めておけるということ。太陽光発電による売電量を増やすことができるほか、夜間など発電できない時間帯でも自家発電の電気を使うことができ、電力会社から電気を購入せずにすませることも可能に。

 また、蓄電池で貯めた電気は、落雷・台風・地震などの自然災害による長い停電時にも非常用電源として活用できます。小さいお子さんや介護の必要な高齢者のいる家庭では、心身への負担を軽減することにもつながり、大きな安心感がもたらされることに。

 一般的な設置コストは約100万~約300万円ほど。同時に、キッチンや給湯・暖房設備を電気で使用するIH調理機器やヒートポンプ式給湯器などに変えると、蓄電池のメリットをより生かすことができるようになります。


V2Hを導入すれば電気自動車を蓄電池として活用できます

 V2H(Vehicle to Home)とは、EV(Electric Vehicle:電気自動車)やPHEV(Plug-in Hybrid Vehicle:プラグインハイブリッド車)に搭載されている大容量バッテリーを、家庭でも使えるようにするためのシステムのこと。専用のV2H機器を介して、EVの電気を家庭で消費したり、自宅の太陽光発電でつくった電気をEVに充電したりすることができます。一般的な蓄電池よりも電気容量が大きいため、家庭で電気を効率的に使えるようになるという利点があります。たとえば自然災害等で停電になったときも、EVやPHEVのバッテリーは大容量なので、車種によっては数日分の電気を供給することも可能に。昼間にわが家の太陽光発電でつくった電気をEVやPHEVのバッテリーに蓄えておき、夜間に家庭へ給電するということもできます。

 また多くのV2H機器では、一般的な200V充電用コンセント(3kW)と比較した場合、最大2倍(6kW)の速度で充電することができます。EVやPHEVをマイカーとした場合には、充電時間の短縮も大きなメリットに。

 こうしたV2Hのメリットを大きく引き出すのが、トライブリッド蓄電池です。太陽光発電と蓄電池に加えて、EVやPHVなどの電気自動車も含めた3つの充放電をコントロールができる蓄電システムです。 太陽光発電で昼間に発電した電力をトライブリッド蓄電池に充電し、夜間にV2Hスタンドから電気自動車へ充電するといった形で電力を効率的に利用できます。発電した電気を無駄なく使い切ることで光熱費も大幅な削減に。


公的な助成・補助金制度も利用してお得に設置可能

 2022年6月、東京都が、新築住宅における太陽光発電パネルの設置を義務づけるよう、条例改正を検討しているというニュースが話題になりました。前述したように、国、自治体としても低炭素社会の実現、エネルギー危機への備えといった観点から、化石燃料に頼らずにすむ太陽光発電の普及に本格的に力を入れています。太陽光発電、蓄電池、V2Hなどの導入にあたっては、公的な助成・補助金も各種用意されています。利用にあたっては要件を満たし、申請手続きなども必要になりますが、見積もりの初期段階から検討しておくとよいでしょう。

 そのためにもこうした太陽光発電の設置に慣れたリフォーム会社を選んでおきたいもの。それぞれのライフスタイルを考慮したうえで、太陽光発電をはじめとした蓄電池、EVなどのシステム設計まで任せられる会社なら安心です。


【著者プロフィール】
渡辺圭彦 / 住宅ジャーナリスト
1970年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業後、扶桑社「新しい住まいの設計」編集部に勤務。その後、(株)ハウジングエージェンシーを経て、2004年よりフリーに。全国の住宅、工務店、建築家を取材して回るエディター&ライターとして活動中。著書に「住まいの進路相談室」(扶桑社)など。


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