知っておくと役に立つ最近のリフォーム事情をよく知る連載コラム

Vol.9
リフォーム候補の大本命。外壁のトレンドをチェック

まずはリフォームのコストとタイミングの見極めを

 風雨や紫外線、人目にもさらされる外壁は、住まいのなかでも経年劣化が気になる部分です。外壁の劣化をほうっておくと、美観を損ねるだけではなく、構造体など建物そのものを傷めることにもなります。外壁修繕にはある程度の費用がかかるので、劣化がひどくなる前にコストも含めた計画を立てておくとよいでしょう。

 一般的に、外壁リフォームの時期は施工から10年前後、長い場合で20年程度と言われています。しかし実際には、外壁材の種類や立地環境、日頃のメンテナンスによっても修繕のタイミングは異なるもの。まずは家の状態をよく観察することからはじめましょう。

 たとえば、日本の一戸建て住宅において7割以上(※日本窯業外壁協会ウェブサイトより)のシェアをもつサイディング(窯業系)の外壁では、高耐久の外壁材そのものよりも外壁の継ぎ目に充填したコーキング剤の劣化が目立ってくる例も。目地が劣化して痩せてくると、雨水の通り道ができて構造体を傷めることになります。また、モルタル下地の塗装壁では、壁面のひび割れに注意。雨の侵入で塗装面が膨れて剥がれたり、ひびが拡大したりするおそれがあります。そのほか、コケやカビの付着が外壁を傷めるほど進行するなど。気になる部分があれば、家を建てた工務店やリフォーム会社に相談することをおすすめします。修繕のタイミングや予算に応じた対策などのアドヴァイスが得られるでしょう。


やっぱり気になる人気のデザイン。ベーシックなナチュラル系が主流?

 せっかく外壁リフォームを行うのなら、単なる補修ではなく、やはりデザインにもこだわりたいもの。好みを反映するのはもちろんのこと、周辺の街並みや人に与える印象も気になります。外壁選びに迷ったら、最近の外壁デザインの傾向を参考にしてみては。

 昨今の新築一戸建て分譲住宅やマンションのデザインを見てもわかるように、和風や南欧風というような典型的な様式を採り入れる傾向は薄れてきている様子。白やベージュを基調としたシンプルでナチュラルな外観が主流となっています。その要因のひとつとして考えられるのは、飽きがこないということ。大抵の街並みに馴染みやすく、ウッドデッキなどの木質建材や植栽の緑を組み合わせて、好感度を得られるナチュラル系の外観をつくりやすい特徴があります。また、外壁材の塗膜性能が高くなったことで、白は汚れやすいといったイメージが払拭されたことも一因。白とベージュ系の濃淡や薄いグレイッシュカラーを張り分けるなど(写真1)、コントラストを抑えたやさしい印象のデザインが多く見られるようになりました。

 建材では、比較的軽量で施工もしやすく、多彩な柄を揃えるサイディングが主流となっています。ここでも、特定の様式をイメージさせないニュートラルな表情の小柄が人気。継ぎ目が目立ちにくいボーダー柄や(写真2)、塗り壁仕上げ風の櫛引柄を外観のベースに用いる事例が増えています。


家全体のバランスを考えた外壁デザインを

 外壁リフォームでは、既存の屋根の形や窓の配置と相性のいいデザインを考える必要があります。そのためには、外壁デザインを平面的ではなく、立体的にとらえることが重要です。

 軒の出の深い落ち着いた雰囲気の家を例に考えてみましょう。木質系の和テイストは合いますが、パステル系やポップな色の組み合わせは馴染みが悪いことがイメージできます。

 また、庭や外構との相性も大切。玄関アプローチや門扉などにも傷みが見られるなら、一緒にリフォームできるとベストです。個別に手を入れるより、外観の印象を統一することができ、コスト面でも合理的です。

 もちろん、街並みへの配慮も忘れずに。前述のように、白やベージュを基調とした外観で周辺環境との調和をはかるなら、個性はアクセントカラーとなる外壁の張り分けや玄関扉など、差し色感覚で表現する手法があります。


長持ちする家を叶える機能性もチェック

 デザイン性もさることながら、外壁材の機能性も進化を続けています。光触媒や親水性の機能を備える塗膜は、太陽の紫外線や雨を利用して汚れにくい外壁を実現。リフォーム後も長く建物を守り、美観を保つことができます。カラーバリエーションを備えている塗膜もあり、既存の状態によってはサイディングの上から塗装できるため、リフォームにも適しています。

 また、老朽化の改善目的だけではなく、エコ改修の観点から外壁リフォームを提案する動きもあります。外壁材に、遮熱や断熱効果のあるサイディングや塗料を選ぶことで、室内の温熱環境を改善することが可能。エアコンの使用頻度が減るなど、外壁リフォームが環境負荷や光熱費の削減につながります。

 当然のことながら、機能性の高い外壁材はイニシャルコストも高め。塗装材では、廉価なアクリル塗料と高価なフッ素塗料の耐用年数が10年以上違う場合もあります。新築に比べると、工事費も居住年数も限られるリフォームでは、その後の計画も含めた建材選びが必要。長く住み継ぐなら、耐用年数の長い機能性外壁を選ぶほうが、結果的には手間もコストも節約できます。10年以内の居住を想定した応急処置的な改修なら、必要な耐用年数をクリアする建材を選べば十分な場合もあるでしょう。


外壁リフォームをきっかけに家全体の診断も

 デザインや機能を追求すれば、必然的にコストは上がっていきます。しかし、老朽化は外壁だけに訪れるものではありません。家全体をチェックして、改修が必要な場所を把握してからリフォームを行えば、必然的に外壁にかけられる予算が見えてきます。

 風雨にさらされる外装材は、同じような時期に不具合を起こすことも珍しくありません。屋根や窓まわりにも傷みが見られれば、外壁改修の足場を組むタイミングに合わせて一緒に改修すると、足場代が節約できます。
 
 そうした、家全体の状態チェックや改修のタイミングについては、信頼できる塗装業者などを知っている場合は別として、やはり実績のあるリフォーム会社などが頼れる存在になります。家の形や日照条件、間取りと窓の配置や将来のリフォーム計画などなど。外壁リフォームの相談から総合的な住まいの診断まで得ることができるでしょう。

(コラム執筆)住宅&インテリアマガジン『LiVES』ライター 畑野暁子


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